
「遺留分侵害額請求を弁護士に依頼すると、いくらかかるのか」
「弁護士費用を支払ったら、手元にはいくら残るのか」
と不安を感じている方に向けて、遺留分侵害額請求の弁護士費用の相場と手元に残る金額を、具体例を添えてわかりやすく解説します。
手元に残る金額が少ない、あるいはマイナスになるケースも取り上げ、請求するかどうかを考えるポイントも紹介します。
「少額でも請求した方がいいのか」
「自分がないがしろにされたようで納得できない」
とお悩みの方も、ご自身にとって後悔のない判断の参考にしてください。
遺留分侵害額請求とは?

被相続人(亡くなった方)の配偶者や子など、一定の相続人には法律で保障されている最低限の取り分があります。
これを「遺留分」といいますが、遺言で特定の人に多くの財産を相続させたり、生前に贈与していたりすると、遺留分が侵害されることがあります。
遺留分侵害額請求とは、このように遺留分を侵害された者が、遺留分を侵害している者に対して、相続により取得する最低額を支払うように請求することです。
例えば、「すべての財産を長男に相続させる」という遺言によって、長男以外の相続人の遺留分が侵害されている場合には、長男に対して不足分に相当する金銭を請求できます。
遺留分の対象者や割合、請求できるケースについて詳しくは、「遺留分とは?」の記事をご覧ください。
遺留分侵害額請求をする場合の弁護士費用の内訳

遺留分侵害額請求は、ご自身で行うこともできます。
しかし、財産の調査や遺留分の計算には専門的な知識が必要で、相手方との交渉には大きなストレスが伴うため、弁護士に依頼するのが安心です。
ここでは、弁護士に依頼した場合にかかる費用の内訳と、依頼前の相談でどこまでわかるのか、依頼後に弁護士が具体的に何をしてくれるのかをご説明します。
一般的な料金体系と内訳
一般的には、次の4つの費用を合計して計算されます。
- 相談料:一般的な相場は、30分5,500円。初回相談を無料としている事務所もあります。
- 着手金:ご依頼時に支払うもの。遺留分侵害額として請求する金額により算定します。
- 報酬金:事件終了後に支払うもの。遺留分侵害額として認められた金額により算定します。
- 諸経費:交通費や印紙代、手数料などの実費のほか、出張時の日当がかかる場合があります。
その他の料金体系として、「タイムチャージ方式」と「成功報酬型」と呼ばれるものもあります。
- タイムチャージ方式:事件の処理に要する時間に応じて支払うもの。1時間あたり2万2,000円であることが多いです。
- 成功報酬型:着手金を支払わず、あるいは少額を支払い、報酬のみを支払う料金体系です。
弁護士相談でどこまでわかるのか
依頼をお考えの方が一番心配されることは、遺留分侵害額をいくら請求できるのか、そのための弁護士費用がいくらなのかの2点かと思います。
弁護士にご相談いただきますと、相談の段階で次のことをお伝えできます。
- 遺留分の計算
- 弁護士費用の見積もり
- 手続きや交渉のやり方・コツ
初回相談では、遺留分侵害額と弁護士費用の点を中心にお話しします。
相談しただけで依頼したことにはならず、実際に他の相続人などを相手に交渉をするとなった時点で、正式な依頼となります。
着手後に弁護士がすること
弁護士にご依頼いただけますと、以下のことを行えます。
基礎財産の調査
預貯金や不動産、有価証券など、亡くなった方が遺した財産に加えて、生前贈与や借金(債務)も調べます。これらが、遺留分を計算する土台になります。
相続人の調査・家系図作成
戸籍謄本を取り寄せて相続人を確定し、家系図(相続関係図)を作成します。誰が相続人になるかによって、遺留分の割合が変わります。
正確な遺留分侵害額の計算
調査した財産と相続人をもとに、遺留分の割合や、すでに受け取っている財産なども踏まえて、請求できる金額を算出します。
必要資料の収集・確認・作成
遺言書、不動産の登記簿や評価資料、預貯金の取引履歴など、請求の根拠となる資料を集めて内容を確認し、請求に必要な書面を作成します。
相手方への通知
内容証明郵便などで、遺留分侵害額請求をする意思を相手方に伝えます。請求には1年の期限があるため、早めの通知が重要です。
交渉・調停・訴訟
交渉でまとまらなければ調停、訴訟へと進みます。弁護士が代理人となるため、原則として相手方と直接やり取りする必要はありません。
遺留分侵害額請求をする場合の弁護士費用の相場

続いては、遺留分侵害額請求を弁護士に依頼する際の費用相場と、当事務所の料金体系をご紹介します。
一般的には経済的利益が大きいほど着手金も高くなる
一般的な相場は以下のとおりです。
| 経済的利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
|---|---|---|
| ~300万円 | 8.8%(最低11万円) | 17.6% |
| 300万円~3,000万円 | 5.5%+9万9,000円 | 12.1%+19万8,000円 |
| 3,000万円~3億円 | 3.3%+75万9,000円 | 6.6%+151万8,000円 |
| 3億円~ | 2.2%+405万9,000円 | 4.4%+811万8,000円 |
「経済的利益の額」は、着手金と報酬金で、次のように基準となる金額が異なります。
- 着手金:遺留分侵害額として請求する金額
- 報酬金:遺留分侵害額として認められた金額
例えば、遺留分侵害額として請求する金額が1,000万円であれば、着手金算定時の経済的利益は1,000万円となります。
一方、交渉や裁判などで認められた金額が500万円であれば、報酬金算定時の経済的利益は500万円です。
このように、一般的な相場では請求する金額をもとに着手金が算定されるため、遺留分侵害額が大きければ大きいほど、着手金も高くなります。
また、交渉、調停、訴訟と、各段階で着手金がかかることが多いです。
当事務所は経済的利益にかかわらず着手金が0円
| 手続の種類 | 着手金 | 報酬金(最低33万円) |
|---|---|---|
| 交渉段階 | 0円 | 経済的利益の11.0% |
| 調停 | 0円 | 経済的利益の13.2% |
| 審判・訴訟 | 0円 | 経済的利益の17.6% |
当事務所は、遺留分侵害額にかかわらず、着手金を0円としており、完全成功報酬制にて対応させていただきます。
また、調停、審判・訴訟に移行する段階で追加着手金はいただきません。
そのため、請求する金額が大きくても、ご依頼時にまとまった費用をご用意いただく必要はありません。
ただし、事件の難易度によって報酬を増額させていただくことがございます。
もっとも、報酬を増額する場合は、受任時に必ず協議を重ね、しっかりとご説明いたしますのでご安心ください。
遺留分侵害額よりも弁護士費用が高い時は?
遺留分侵害額がない、あるいは時効で消滅していた場合、着手金で支払った弁護士費用の方が高くなってしまいます。
しかし、遺留分侵害額があるかないか、特に時効で消滅しているかについては、相談段階で判明することがほとんどです。
一方で、初期の段階では、亡くなった方の全財産を把握できていないことも多いです。
他の方への贈与などがあったのかも不明なため、実際の遺留分侵害額を確定できない場合があります。
したがいまして、遺留分侵害額よりも弁護士費用の方が高いと、ご自身で判断することは危険です。
判断をする前に、一度弁護士にご相談ください。
それでも、遺留分侵害額よりも弁護士費用の方が高くなることはあり得ます。
その場合に請求するかどうかは、ご自身の尊厳・納得の問題となります。
遺留分侵害額が少なくても請求した方がいい?

遺留分侵害額請求をお考えでこの記事にたどり着かれた方は、不当と感じられる現状に直面されていることでしょう。
遺留分侵害額請求をする理由は、お金の問題だけではありません。
ご自身の尊厳や納得の問題もあり、金額が少ないからといって泣き寝入りすれば、後悔する可能性もあります。
例えば、大して被相続人の世話をしていない他の者が、自分よりも得をするような遺産の分け方がされようとしていて、
「自分がないがしろにされている」
「このまま遺産を分けると、後悔してしまうかもしれない」
「後々ことあるごとに、不当な遺産の分け方を思い出して嫌な気持ちになりたくない」
と考えてしまうような状況であれば、ご自身の尊厳や納得のために、金額にかかわらず遺留分侵害額請求をすることが良いでしょう。
また、遺留分侵害額請求をすることで親族との関係性が悪化しないか、そのリスクを負ってでも請求するべきかと悩まれる方もいらっしゃると思います。
この点も、ご自身の尊厳・納得の問題です。
遺留分侵害額請求は法律上の権利ですので、請求すること自体に法律上の問題はありません。
しかし、親族との関係の悪化をおそれるなら、請求はしない方が無難といえるでしょう。
そもそも、遺留分侵害額が少額なのかをご自身で判断することも危険ですので、一度、法律事務所までご相談ください。
遺留分侵害額と弁護士費用の計算例
以下では、交渉で解決することを前提に、3つのケースで弁護士費用がいくらになるかを説明いたします。
一般的な料金相場と、当事務所の料金体系とで、弁護士費用とお手元に残る金額がどう変わるかをご確認ください。
計算には、以下の料金を用います。
| 料金表 | 着手金 | 報酬金 |
|---|---|---|
| 一般的な料金相場(300万円以下) | 8.8%(最低11万円) | 17.6% |
| 一般的な料金相場(300万円~3,000万円) | 5.5%+9万9,000円 | 12.1%+19万8,000円 |
| 当事務所(交渉段階) | 0円 | 11.0%(最低33万円) |
ケース1:500万円を請求し、500万円が認められた場合
一般的な料金相場の場合
依頼時には、遺留分侵害額が500万円であるとして着手金を計算しますので、請求額の5.5%+9万9,000円に当たる37万4,000円が着手金となります。
報酬金は、経済的利益の12.1%+19万8,000円ですので、500万円の12.1%+19万8,000円に当たる80万3,000円です。
着手金と報酬金の合計は、37万4,000円+80万3,000円の117万7,000円となります。
この場合、500万円(実際に認められた金額)-117万7,000円(弁護士費用合計)で、382万3,000円がお手元に残ります。
当事務所の料金体系の場合
当事務所は着手金0円ですので、着手金はいただきません。
報酬金は、500万円×11.0%で55万円です。
着手金と報酬金の合計は、0円+55万円の55万円となります。
この場合、500万円(実際に認められた金額)-55万円(弁護士費用合計)で、445万円がお手元に残ります。
ケース1の費用比較

ケース2:2,000万円を請求し、100万円しか認められなかった場合
一般的な料金相場の場合
依頼時には、遺留分侵害額が2,000万円であるとして着手金を計算しますので、請求額の5.5%+9万9,000円に当たる119万9,000円が着手金となります。
報酬金は、100万円×17.6%となりますので、17万6,000円です。
着手金と報酬金の合計は、119万9,000円+17万6,000円の137万5,000円となります。
この場合、100万円(実際に認められた金額)-137万5,000円(弁護士費用合計)で、37万5,000円の損をしてしまいます。
当事務所の料金体系の場合
当事務所は着手金0円ですので、着手金はいただきません。
報酬金は、100万円×11.0%で11万円となりますが、最低報酬金が33万円ですので、33万円を報酬としていただきます。
着手金と報酬金の合計は、0円+33万円の33万円となります。
この場合、100万円(実際に認められた金額)-33万円(弁護士費用合計)で、67万円がお手元に残ります。
ケース2の費用比較

ケース3:100万円を請求し、70万円が認められた場合
一般的な料金相場の場合
依頼時には、遺留分侵害額が100万円であるとして着手金を計算しますので、最低着手金の11万円が着手金となります。
報酬金は、70万円×17.6%となりますので、12万3,200円となります。
着手金と報酬金の合計は、11万円+12万3,200円の23万3,200円です。
この場合、70万円(実際に認められた金額)-23万3,200円(弁護士費用合計)で、46万6,800円がお手元に残ります。
当事務所の料金体系の場合
当事務所は着手金0円ですので、着手金はいただきません。
報酬金は、70万円×11.0%で7万7,000円となりますが、最低報酬金が33万円ですので、33万円を報酬としていただきます。
着手金と報酬金の合計は、0円+33万円の33万円となります。
この場合、70万円(実際に認められた金額)-33万円(弁護士費用合計)で、37万円がお手元に残ります。
ケース3の費用比較

途中から弁護士に依頼する場合の費用は?

一般的には、依頼する段階によって、着手金は次のように変わることが多いです。
- 交渉途中から依頼する場合:着手金自体は変わらない
- 調停段階から依頼する場合:調停段階の着手金に加えて、交渉段階の着手金も発生する
- 訴訟段階から依頼する場合:訴訟段階の着手金に加えて、交渉・調停段階の着手金も発生する
当事務所では、交渉・調停・審判・訴訟のどの段階からご依頼いただいても、着手金は0円です。
また、弁護士に依頼していたところ、その弁護士を解任して、他の弁護士への依頼を検討することもあるでしょう。
別の弁護士に委任すること自体は可能ですが、基本的に、以前依頼していた弁護士に支払った費用が返還されることはありません。
そのうえで、新たに依頼する弁護士にも別途費用が発生します。
当事務所は着手金0円ですので、他の弁護士から乗り換える場合も、新たに着手金をご用意いただく必要はありません。
弁護士費用を用意できない時は?
支払い方法を相談する
中心となる弁護士費用としては、法律相談料、着手金、報酬金が挙げられます。
それぞれ、次のタイミングで支払います。
- 法律相談料:法律相談が終了した時
- 着手金:事件を弁護士に依頼した時
- 報酬金:遺留分侵害額が確定した後
当事務所では、初回相談の際には、法律相談料はいただいておりません。
分割払い・後払い・回収額からの支払いを受け付けている法律事務所も多く見受けられます。
当事務所でも柔軟に対応しますので、ご相談ください。
法テラスを利用する
次の条件を満たしていれば、法テラスを利用できる場合があります。
- 収入・資産が一定基準以下であること
- 勝訴(解決)の見込みがないとは言えないこと
- 嫌がらせや不当な報復目的などがないこと
弁護士費用は相手に請求できない
弁護士費用を相手に請求できないのかとお考えの方もいらっしゃると思います。
しかし、遺留分侵害額請求に関しては、相手に弁護士費用を請求することはできません。
遺留分侵害額請求をされたら?
遺留分侵害額請求をされた場合、放っておいても何かが解決する訳ではありません。
むしろ、放っておくと最終的に、財産が差し押さえられるおそれがあります。
とはいえ、むやみに請求に応じたり、相手に返事をしたりすると、後々、不都合なことになりかねません。
適切に対応するために、まずは弁護士に相談するとよいでしょう。
【無料相談】遺留分侵害額請求はお早めに

遺留分侵害額請求には時効があり、落ち着いた頃に動き出すと、間に合わない可能性があります。
身近な方を亡くして精神的に辛い中、遺産のことなど考えられないかもしれませんが、早く動き出すに越したことはありません。
当事務所では、初回の法律相談を無料で承っております。
まずは、お気軽にご相談ください。